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2016メートルの

01.07.2016, bun, by .

ことしもよろしうに

新年早々こんなテーマなのは問題とは思うのだけども某SF賞やっぱり選考だめだったーーー!!
ということで結果も早々に分かったので安心して載せます すこしだけ長い

 

 

僕の肩すぐ近くを蝶が漂っていた。しなやかに羽ばたく動作には隙がなく、大きな翅を形成する優雅な曲線の素材はマットで美しい。鱗粉の質感までが表現されているこの蝶は、すべてが炭素繊維で創られていた。
そんなものが、今こうして音もなく目の前を舞っている。
それがなぜここに、自然とは真反対に白く無機質な室内で飛んでいるのか。
それはここが医療機関の研究室であり、同時に僕の仕事場だからである。僕は最新の情報と技術に恵まれた場所、唯一の国立公式医療研究機関で開発研究に携わっている。
と言っても『国立』というのは名残であり、今ではごく一部の国を除いてほぼ無国籍状態で引き抜かれた人間達が働いている。
ここでは人種とは多少の遺伝子情報の違いに過ぎず、言葉の壁もない。発された言葉が耳に届くころにはそれぞれの理解しやすい言語に変換されている。ブレーンシステムの恩恵である。
それはさておき。
元々虫には臓器なんてあってないようなものだが、この蝶には電気信号や動作を目的とした液体循環は存在しない。当然ネジだのワイヤだのの素材も不要である。
それぞれがひとつひとつ軋むことなく人工物で組まれた、しかしこの種のオリジナルがDNA情報でしか遺されていない現代においては本物の蝶であろう。
この繊維にDNA情報を製造過程で互いのゲノムを破壊しないよう組み込ませることでこの繊維質はそれぞれのレシピが必要とするパーツを形成する。基盤であり同時に生命としての機能をもつ。
炭素は細胞を形成するうえで欠かせない元素であるのは当然だ。なら、その炭素自体が素材として完成されたものだったら。
ゲノムを組み込んで加工してやることで強度や細胞死すら管理できる細胞を作ることができたら。
質感も、働きも本来のものでありながら、それが完成された炭素繊維であれば。
かつてクロアゲハと名付けられたこのハネムシ。チョウという分類に属していて、古では復活の意味を持っていたようである。
ここで僕らが言わんとしているであろう意図としては、謂わば心臓を失くした不死身のモチーフだった。
この素材を売り込まれたときは「将来の人類を担う明るい追求」というのがメーカーの企業理念に挙げられていた。
最近頭角を現し始めたと噂されていた少数精鋭のメーカーであり、しかし最初に送られてきたデータを処理するまでは胡散臭さを覚えていた。この機関は民衆のために莫大な予算を投資されている。
そんな機関に商材を入れることが出来れば、民間では足元にも及ばない収入が転がり込む。そのためこれまで何度も『妄想』から成る謳い文句を聞く羽目に陥っていた。
だがいまでは見栄や強がりではないことを薄ら寒いくらいの感覚とともに痛感せざるを得ない。
そうして受け入れられたこの新素材でチームにより最初に創られたのがこのクロアゲハというわけだ。
メーカーの血の滲むような執念と僕ら遺伝子のプロである科学者との結晶。小さな虫一匹だが、大々的にメディアは報道したと聞いた。
不死の始まり、完全体の発明、禁忌を越えた日…などが印象的な見出しだったな。このような見出しのための質問攻めに疲労でよれた白衣も直さない同僚が独り呆れるようにごちていた。「あの輩は実用化されれば一番に使いたがるよ」
巷では実は人体の医療は生体においては発展の限界を迎えている、なんて説も出ている始末だ。
これは手に負えない噂に過ぎないが、事実ぼくら人間の細胞をいくら培養して治療をしようとも、クローンを作ろうとも、長く生きようとする貪欲さの前では焼け石に水、にも満たない存在であるのは確かだった。

 

「どれだけ賢くなったところで、ヒトというものは動物ですから」
科学者として求められるままクローン技術を研究し続け貢献する先駆者でありながら、その生き方にどこか言葉に喩えられない違和感に気付かされたのは彼女に出会ってからだった。
彼女というのは恋人とかではなく僕の働く研究室の後輩で、変人だった。何も昔のミンゾクイショウ、という過剰な布の塊を纏う訳でも、生活と全く馴染めないという事でもない。
定期的に肩口で適当に切られたショートに、白衣の下には年相応の動きやすそうな服を着ている。取引先や外部、それに先輩でありチームのサブリーダーである僕にもそつのない敬語を遣う。
同じく最先端の技術室で、最新のデータや科学技術を駆使する生活を選んでいるのは彼女自身であるし、意気投合するのは当然だった。しかしまぎれもなく変人だった。言い換えればこのご時世には古風な人だった。
いつだったかの話だ。仕事上がりに誘われて彼女の部屋で珈琲を飲んだ。
話題はもちろん仕事の話で相手は変人、それでも機関の人間の中では一番話が楽しい相手だ。それどころかチームの中では一番話している。みんな基本頭が固過ぎる。
「クローンにおける新たな原則でも作るべきですね。できれば三原則」
人間のクローン体に関する倫理議論はとうに終わりを知っていて、個人のクローン作製に於いては他人のなりすましや犯罪目的でなければ自己の判断に則ってよいものと決められた。
『ヒト適用クローン法』によるものである。
作業効率や思考の統一によるQOLの向上、果ては自己のクローンを用いた究極のナルシズムの達成…そんな都合を「自己責任」と片付けることで、科学の発展は長い年月でうず高く積まれていた壁をあっさりと――可視化されているものであればさぞ小気味好い映像が見れたことであろう――を打ち崩した。
技術の発達による貢献。そう掲げられた輝かしいモットーの裏は利益と本能の欲。
個人そして故人をデータ化することで容姿や言語、つまり人種や国境をないまぜにし、死の恐怖やその受け止め口であった宗教は今やひっそりとごく一部の無法地帯…かつては聖地と呼ばれていたところでひそめるように息をしているだけだった。そこでは未だに生死が循環し、人権もあったりなかったりだという。
生きているヒトからの輸血や臓器提供が存在したり、あるいは身が朽ちることを受け入れたり…―清潔な壁で囲まれて生きる僕にとっては理解が難しいがこういうことだ。
人種に国境はないが、思考にはいまだ境界が存在する。
個人の意思が存在する以上、当然の事ではあるが。
「三原則?」
「第一条:クローンはオリジナルに危害を加えてはならない。第二条:クローンはオリジナルにあたえられた命令に服従しなければならない…パロディですよ。絶対の技術なんてないですからね」
指を折り曲げ諳んじながら部屋を横切って本棚へと向かう。引き抜かれた一冊の本には今では骨董品でもお目にかかれない古めかしい型のロボットが描かれていた。僕にとってロボットと言えば僕らとなんら変わらない容姿での、あるいは製造に特化した必要最低限の動きしかしない道具でしかないことだろう。
ヒト型、つまり二足歩行で物を考えることに着目しただけで金属ののっぺりした姿は可愛らしくもあり、滑稽でもある。ヒューマロイドは身の回りの世話をしたり、慰めたりと今も役立ってはいるが、このように白くのっぺりした姿は少なくとも見かけず人工表皮で覆われて人間と遜色ない。しかしこれでは骨格だけで頼りない。
「これじゃ素っ裸だ」そういうと彼女は珍しく声をあげて笑った。
「あー…そうじゃない、それを可能にするのが僕らの仕事だよ」
少し照れて部屋を見渡す。訪れるのも何度目かの部屋。現代人に比べ物が多い割に生活感が乏しいのは、小物の大半に馴染みがないからだろうか。本もそうだが部屋のいたるところに「形あるもの」が置いてある。
「あの繊維が普及すれば今いるヒューマロイド達の姿も見なくなるかもな。人口皮膚も何もかもがクローン技術のものから適用されるから」
「どちらがヒトかとっくに分からなくなっていたりして」
「…キツい冗談だな」
「私達は一応医療の観点で取り組んでいるつもりでしたが…この技術は至るところはクローンとしての新人類の分野でしょう」
技術が発達するとともに合理化されたのは医療だけではなく、嗜好品、趣味、その他生活用品や部屋の造形が影響を受けた。
データのやりとりもコミュニケーションも生育の安定してきた時期に埋め込まれる数ミクロン片に満たないチップの影響でブレーン、つまり脳さえあれば事足りる。
彼女ももちろん受けている。さらには情報の往来の激しいこの仕事には人間の処理は追いつかず、ブレーンの十二分の活用が要求される。
「そうだな。先輩には既に医療用途における炭素繊維でのヒトクローン技術と、その研究適用の申請を出すように頼んである。ブレーン共有領域に今朝出したから知っているだろう」
「そうですね」
いつも通り淡々と答えながらカップを口に運ぶ彼女を眺める。この技術革新の瞬間に立ち会うとは思えない様子に拍子抜けする。
そんな現代人とは些かズレた人間を体現する部屋。いくつかの家具やディスプレイモニタ、構造は現代の物で部屋は決して古めかしくは感じさせなかったが、その日は少し煙たかった。
聞けば盆という習慣で、故人を偲ぶ期間だという。
自身のブレーン、つまり記憶領域のデータベースに命令すればいつだって求める故人と対談が出来る。
人口増加や犯罪抑止を理由に多少の制限こそあるが、それこそDNA情報さえ遺していればクローンを通じて実体を持つことだって許されている。
故人がデータと化した以上、死だの偲ぶだのは遠くに追いやられた考えだからと伝えると変な顔をするのである。自国の習慣だというのに、時代が違えばどこか異国の風習にしか思えなかった。
その心理に拍車をかけるように周囲には甘い香が満ちている。後で解析してみるとサンタロールという成分だった。香り自体は求めれば手に入るが、この煙たさの発生源は今は文化遺産と形骸化しているに過ぎない「寺院」とやらで用いられるものだ。
そういえば子供の頃社会科見学で行ったことがある。信仰を失くした偶像は重たい金属でできていて、蝋燭の明かりを鈍く照らし返していた。そういえば似たような匂いがしていた。
彼女の話だと甘い匂いなのはこれは嗜好品で「線香」の代用だからとの事である。
「匂いは記憶に残りますからね」
彼女の言葉は時折こうして僕の記憶領域に刻み込まれる。

 

一寸の虫にも五分の魂。どんな小さな生き物にも意地を見出すべくつくられた諺があるらしいが、あいにく魂とやらが宿る場所はいまだ解明されておらず、同時に僕らの信じて止まない個人のデータ化は―果たして僕らの思い描いたそのままだったのだろうか。
ひらひらと視界で上下するクロアゲハを眺めながら研究室で珈琲を口に運ぶ。左手にはそのまま彼女に借りた文庫が読まれることなく納まっている。
こんな悠長なことを考えている余裕は本来ない。この技術の開発をしてしまったばかりに僕らのチームはここ数ヶ月多忙を極めていた。あの会話からそれだけ経っている。それぞれが更に得意分野で仕事を分けている為にチームと言ってもそれぞれがしばらくほぼ独りでの作業をしていた。炭素繊維とヒトゲノム、クローン用のマシンの調整。及び医療における臨床データの実証。
「ついにやったぞ」
僕より5つ上の先輩が入るなり挨拶も忘れたように叫んだ。思わず音を立てて置いたマグカップから珈琲が飛び散る。
彼が担当であった国への医療臨床へのヒトクローン利用承認。
通達は『可』だった。先輩の存在も忘れて僕は呆然と佇んだ。
前に言ったように個人の意思による自己のDNA利用は自由だ。しかしこの機関が国営である以上この承認はつまり国が不死を受け入れる一歩であった。
この新素材は現在臨床に用いられるのはヒト以外だが、ヒトのクローンで検証される日は一刻も早く求められた。
そうすれば今までより遥かに早く確実なデータが取れるし、オリジナルの意思であれば法律により人権は存在しない。これほど都合のいい実験体はないだろう。
先輩が誇らしげに顔を綻ばせて言った。
「難しい顔だな。どうした?俺等は今科学の極みに居るんだぞ。この繊維があれば医療は改革される。概念すら変わりかねないんだ」
「え、ええ、そうですね。なんだか夢みたいで」
でも、引っかかる。こうして時折彼女に抱かされた違和感を珈琲で押し流す。
(それでいいのだろうか。いや、これは新たな一歩なのだ)
どうやら珈琲を飲みすぎた。なんだか胃がむかむかする。承認を前提に作られていた炭素注入用ヒトゲノムの資料を取り出し、検査担当者を割り当てようとブレーンの共有領域を開く。
このチームは内容に対して5人と人数が少なく割り当てが多い。先輩にはまだ他にも残っているし…考えていると電話が鳴った。
ここで嫌な予感が働く。
勘という表現だと論理的ではないが、無意識の習慣に当てはまらない状況から関連づけて判断する。これは嫌な予感だ。
今日の場合は二つだ。仕事中にも関わらず個人領域内の聴力への直接回線に接続されたこと、もう一つはその回線を使う人間は彼女以外居ないということだ。
ブツッ、と回線がオフラインへ切り替わる音と一瞬の間、ややあって聴覚に声が入ってきた。そして冗談が聞こえた。

「わたしが死んでいます。」
声の後ろで聞こえる断続的なメーターの音はブレーン直接回線のコール音に類似している。

 

 

大慌てで駆けつけたため汗でシャツは肌に張り付き息のあがった僕の目の前には横たわった女性がいた。手首に貼り付けられた小さなチップ一枚の存在を除けばただ眠っている姿に変わりがない。
この幅1センチ四方のチップは現状での「正式な」最先端医療のひとつだ。チップ内に帯びた電気と回路が皮膚に反応し、その対象の回復状況をリサーチ、必要な治療情報を空間に投影する。
今はこう表示されている、<無意味な延命>。
「そろそろやめましょうよ」
部屋に入ってきた女性が――まさしく目の前で眠っている彼女が冷えたグラスを差しだした。もう片手に持っているカップには湯気が静かに揺らいでいる。僕の横に座ると、そのカップを口元に近付けながらいつもと全く変わらない微笑を寄越す。
まるで幽体離脱を見ている錯覚に陥る。
「いつの間に、そんなものを用意したんだ」
震える手で汗をかいたグラスのアイスティを流しこむ。確かにオリジナルの彼女は生命活動を停止した。心臓が一度停止すると脳細胞は急速に死んでゆく。彼女が電話をかけてきたのはこの状態になった後だ。
僕が来るまで延命行為を一切行っていないということは重大な損傷は免れない。現状オリジナルの細胞を培養して移植を行う医療技術では脳は対象外だった。なにより肝心のオリジナルが死んでしまった以上、…とここで考えが止まった。
「蝶以外でのゲノム作成担当を割り振ったのは先輩ですよ。それがたまたまヒト適用クローン法に当てはまっただけで」
その言葉に思わずカップを持っていない方の彼女の手を掴む。少しだけ驚いたような彼女をよそに脱け殻と化した生身の彼女と見比べる。
手品を見破るような気持ちで、半ば縋る様な気持ちで掠れ声を絞り出す。このヒトの皮膚そのものの感触が、あの繊維だとは信じられなかった。
「まさかこの…死体のほうがクローンということは」
「残念ながら」
「…いや、だが君は、つまりあの繊維でできているということだな」
まだ研究段階だった炭素繊維。まだ蝶のあとはラットまでしか適用していなかったためヒトにおいてどれだけ実用できるものかは未知数だった。だが今ここに、完成したものが居たとしたら。
「ゲノム情報に本人の記憶は含まれない」
「それは間際に彼女が移しました。今までのクローン作製と同じ電気信号の形式にして、素体が完成した後に」
「じゃあ、君は元の記憶を持っている。そしてここに本物と遜色がない、いや、本物以上の性能を有する可能性をもった肉体があるとする。そして…」
「…そしてその新人類は、その目的でつくられなかったとするとしたら」
そう言いながら当然のような振る舞いで立ち上がり、ポケットから小さい注射器を取り出す。勘付いて制止する間もなく彼女は自身のオリジナルにその液体を注入した。
途端に投影されていた情報が切り替わる。
<細胞に重大な損傷57%―修復不可>
ぐんぐん数値が跳ね上がっていく。
「何をするんだ」
咄嗟に立ち上がろうとするも何故か動かない。僕のシャツの胸ポケットに一枚の紙を差し込み、その後少し躊躇って軽いものが入っているらしい薄いケースを滑り込ませると―寂しそうに微笑んだ。
「今までお世話になったのでせめて引き継ぎをさせてもらいたくて。そのアドレスが私の個人ブレーンに入っていた研究用データへのアクセスキーになります。先輩のブレーンから研究センターのチーム共有データを辿ってももう出てこないと思うので、失くされない方がいいですよ」
実際動かなかったのだが、今度こそ膝が崩れ落ちる思いがした。それも滑稽なことに僕自身どうしてか分からない。
死の概念は既に存在しないと僕自身思っていた。実際目の前に彼女が居るし、この仕事に携わる人材のゲノムをはじめ個人情報はセンターのデータベースへ優先的に採取されている筈だ。
「何でこんな事をしたんだ」
情けない声が部屋に響く。彼女は香炉に残った灰をつまんで答える。
「本人の遺志です」
何の薬品を入れたのか縊死体は急速に分解されていく。
「自身のゲノム情報を取り出すときにセンター内のデータベースから削除しました。この部屋も数日後には業者に処分するよう依頼を出しています。近日中には何も残らないでしょう。今渡したデータチップにアクセスキーがあるのも、持ち主のDNAが照合できなくなるためです」
「それじゃあ、君は…」

 

 

 

誰もいない深夜の研究室、今はもう所有者をなくした外部接続デバイスの前に僕は立っていた。薄いケースのなかから彼女のブレーンだったデータチップを取り出し、挿入する。
出力。
<Access Key?>
紙を一瞥し、入力する。
<C15H24O>
一拍の後、これまで彼女が積み重ねていた研究データが整然と並んでいた。
これがあれば、確かに引き継ぎには充分だろう。
紙に遺った甘い香りが鼻腔をくすぐる。そして目を閉じあの晩の続きを思い返す。
記憶を辿る僕の肩すぐ近くを蝶が漂っていた。
その蝶は未来への象徴だった。
かつてクロアゲハと名付けられたこのハネムシ。チョウという分類に属していて、古では復活の意味を持っていたようである。
では僕らは。

 

 

「それじゃあ、君は…」

雲隠れでもするつもりなのか、その言葉すら飲み込む速度で彼女の形は崩れ。
僕はあの瞬間を忘れることはないだろう。
彼女だった筈のクローンは数え切れない、たくさんの黒い蝶が、瞬いて、飛んで。
僕の視界は覆われた―――鱗粉が、羽音が。
噎せる様な密度で―――――。

「私達は一度喪うべきということでしょうか。」
これからの研究を担う僕に見えない鱗粉を纏わりつかせて。
それきり、彼女は死が不可能になる予定の世界から姿を消した。

 

 

 

title:Butterfly effect
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この内容から三原則あたりのパロディを削ってすこし改変したものを提出したのだけど(どこまで許されるか分からなかったから)
賞とかよりとりあえず書ききったことが嬉しかったので載せるフンフンフ

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