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末路

07.02.2013, apoptosis, bun, by .

鐘の音が鳴るなかを、走っている。
息が詰まり、足が縺れる。周囲で鳴っている鐘の音が自身の警鐘のように頭のなかでがんがんと響く。
「  、」絞るように出た掠れ声も、認識できないほどだ。
定まらない焦点を無理に合わせれば、目の前には元凶である時計台と鐘が見える。
ここに行けば。この音を止めることができれば。
無意識の内にそう、理解して。

これは、理解だ。

息も絶え絶えに螺旋階段を駆け上り、展望台から上を見上げる。

彼は気づかない。それほどの騒音がありながら、周囲には他に人がいないことに。
彼は気づかない。一体何から急かされて、追われているのか。
彼は気づかない。

「なんで、」

彼が階段をのぼり終ると既に、彼自身の呼吸音しかしないことに。
件の鐘を見上げた時にはもう、疑問と痛みだけを残して崩れ落ちる自身に。
暗転する視界のなかでにやり、青白い男が立っていることに。

鐘などとうに電子音と化し、町のシンボルとしての飾りにすぎないことに。

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apoptosisネタ

なんとなく見返してたらなんだかんだで創作ぶろぐ1年経過してました。うっほっほい。
いい加減目元隠した変態を描いて遊んでるだけじゃなくて話進めろと思いながら、設定めも探してた時に↑の話(を中二感増した断片的なめも)を見つけたので
プロローグ(被害者Aの末路)と書いてあったけども、どうすんだこれー。
本当は漫画にしたいのに圧倒的に画力と設定が足りてないのでのそのそ水増し肉付けしていきます。

一応目隠し変態とか奏くん(茶髪?の子)がいるやつの総称をapoptosisとまとめることにしているのでタグのカテゴリ増やしました。ちょっとずつわかりやすくなるように頑張ります。
作品として数まとまってきたらまたページ増やすなりまとめるなり考えます。
状況が明確でない話を書く癖があるのでストーリーものは随分と懐かしいね

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